再発防止のための取組
- 再発防止策は予防策と表裏一体です。予防策に継続的に取り組むことが再発防止につながります。
- 取組内容の定期的検証・見直しを行うことで、より効果的な再発防止策の策定、実施に取り組みましょう。
■ 再発防止への考え方
- 解決に当たって、行為者を処分するだけでは、最悪の場合、同じことが再び繰り返されるという可能性が残ります。これを防ぐためには、次のような視点を持って解決を図っていくことが大切です。
- その後の職場が相談者にとって、安全で快適な環境となっているか
- 行為者が同様の問題を起こすおそれはないか
- 新たな行為者が発生する環境となっていないか
■ 再発防止策
- 取組内容の定期的検証・見直しを行うことで、より効果的な再発防止策の策定、実施に取り組みましょう。
- 再発防止策としては、以下のようなものが考えられます。
<行為者に対する再発防止研修の実施>
パワーハラスメント行為の再発を防ぐために研修を実施します。本人の立場も配慮し行うことが必要です。社内で対象者を集めての研修は、お互い顔を合わせることになるので、できれば避けた方がよいでしょう。社内にこだわることなく、社外セミナーなどに参加してもらい、レポート提出などをさせるのも一つの方法です。
<事例発生時のメッセージ発信>
事例発生時には、可能であれば何らかのメッセージ・情報の発信をするとよいでしょう。職場を預かる管理職に注意喚起をするだけでも効果が見込まれます。
<事例の活用>
社内事例ごとに検証し、新たな防止策を検討し、毎年のトップメッセージや会社ルール、研修などの見直し・改善に役立てることが望まれます。またプライバシーに配慮しつつ、同様の問題が発生しないように、社内の主要な会議で情報共有することも大切です。
<管理職登用の条件>
例えば、管理職登用にあたり、部下とのコミュニケーションの取り方や部下への適正な指導や育成にあたれる人材かどうかを昇格の条件とすることも考えられます。
<職場環境の改善のための取組>
パワーハラスメント行為の防止に当たり、職場環境の改善のための取組を行います。パワーハラスメントが起きてしまう要因には、例えば職場内のコミュニケーションや人間関係の希薄化、長時間労働の恒久化が考えられます。コミュニケーション不足により、異質なものを排除する風土が生まれ、また長時間労働による疲弊がパワーハラスメントへとつながっていく可能性があります。このような状況が考えられる場合は、職場内のコミュニケーションの強化や長時間労働対策を行うなど、職場環境を改善することがパワーハラスメントの予防にもつながります。
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社内でパワーハラスメントが発生しました。同様の事例が起きないよう周知したいのですが、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
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事例として活用する場合は、個人が特定されないようプライバシーへの配慮が重要です。そのため、あくまで一般的な事例として、社内での研修や社内報などを活用して周知するとよいでしょう。